大人の女に手を出さないで下さい
一週間後の金曜日、英梨紗は学校帰りの校門前で待ち合わせをしていた。
今日は梨香子と蒼士にたっくんを紹介する日だ。
二人に会わすと思うとどうなるか考えただけでも気が重い。
はあ〜っとため息をつくと目の前に高級感漂う白いセダンが停まった。
通り掛かった学生たちが物珍しそうに見ている。

「英梨紗ちゃんお待たせ」

颯爽と出てきたのは蒼士でスッと背筋の通った凛としたスーツ姿にサングラスまで掛けている。
英梨紗に歩み寄るといつものように軽くハグをし、それを見ていた女生徒達がワッと色めき立った。

「ちょ…蒼士くん恥ずかしいから!」

「ああ、ごめん。つい…」

蒼士は頭を掻いて苦笑い。
そんな姿も女子高生にはツボだったようであの人かっこよくない?照れてるの?カワイイ!とコソコソ言い合ってるのが聞こえて英梨紗は早く立ち去りたくて仕方ない。
余計に目立つサングラスを取ってほしくて英梨紗は話しかけた。

「なんでサングラスなんてかけてるの?取ったら?」

「夕日が眩しくてね」

そう言って夕日に向かって遠くを見るように手をかざす姿がまたサマになって周りはきゃあきゃあ騒がしい。

「もう!蒼士くん無駄にかっこいいから目立ってしょうがない!」

「え?」

ついつい八つ当たりをして、どうした?と困った顔をする蒼士。
ツンとそっぽを向くから蒼士は英梨紗を覗き込んだ。

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