大人の女に手を出さないで下さい
梨香子と蒼士はレンガ作りの町並みを歩き観光スポットを次々と見ていく。
バッキンガム宮殿でタイミングよく衛兵交代式を見、ナショナルギャラリーでかの有名なゴッホのひまわりに魅了され、コートールドギャラリーで様々な絵画に感銘を受けた、まだまだ寒い冬の気候もなんのその、気の向くまま歩き回り日が落ちた頃ライトアップされたタワーブリッジを見ていると蒼士がキスをしてきた。

誰かに見られるのを恥ずかしがる梨香子だったが蒼士に周りを見てごらんと言われ見てみるとどこもかしこもカップルだらけで驚いた。
誰も俺達の事なんか見てないよと言われ、いいよね?といつものおねだりに梨香子は観念して頷くと甘くて濃厚なキスに酔いしれた。

目に付いた古そうなレンガ作りの建物のレストランに飛び込みで入ってみると予約もしてないのに快く受け入れてくれた。英語が話せる蒼士のお陰で会話はスムーズに運びおすすめの美味しい料理とお酒に舌鼓を打った。
楽しい時間はあっという間でだいぶ帰りが遅くなってしまった。

二人ほろ酔い気分でホテルに戻りエレベーターに乗り込むと蒼士は一層梨香子を抱き寄せこめかみにキスをする。
いよいよ今日こそは…。

梨香子も同じのようで頬を赤らめてるのを見られまいと俯く姿がいじらしかった。
甘い期待に気持ちも逸る。
盛のついたガキか!と蒼士は心の中で自分にツッコミ、余裕そうに表示板に目をやる。
チン!と音と共にドアが開くのをもどかしげに待った。
さあ、ここを出れば後は部屋に入った途端に甘くて濃厚で淫らなひとときが待っている!と胸を踊らせたのもつかの間…。

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