大人の女に手を出さないで下さい
「あ、いた!今帰ったんですか?あんまり遅いんで迷子にでもなったかと思いましたよ!」

エレベーターが開いた途端目の前にいたのは存在を忘れていた元倉だった。
探してたんですよと言う元倉に、今日は一日自由時間だったはずと蒼士は訝しげ。

「上のラウンジでみんな集まってるんですよ。今日の戦利品の品評会と観光の土産話をしてるんです。親睦を深めるためにも参加して欲しくて」

「そう…なんですか…」

梨香子も期待してただけに一気に上がりかけてた熱は消えハハッと乾いた笑いを零した。
自分達は不参加で、とは言えなくて降りるはずのエレベーターに元倉も乗り込み上へと上がった。
ラウンジに入れば皆既に出来上がってるようでかなり盛り上がってる。
梨香子と蒼士の到着に皆歓声を上げていた。

「三雲さん!こっちこっち!」

「国永さん!はこっち!」

方ぼうから声がかかり梨香子は困ってしまう。

「いや、俺達はこっちで」

すると蒼士は梨香子の肩を抱き寄せ広く空いていたソファー席に二人で座った。
蒼士を呼んでいた昼間一緒に大英博物館を観光した橋本、緒方の二人は残念そうにしていた。

「少しは学習したようだね」

「別に、そんなんじゃありません」

斜め前にいた奥野にからかわれるように言われ蒼士は憮然と言い返した。

「学習?」

首をひねる梨香子に何でもないと誤魔化し何頼む?と話を逸らした。

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