大人の女に手を出さないで下さい
「いや、それより何でこんなことになってるの?知らなかったのは俺だけだよね?」

サプライズは嬉しいがどうせなら自分が梨香子にしてやりたかった。
男が何にも用意してなかったなんて情けない。

「今日の事は、みんな英梨紗が計画していろんな人に協力してもらって出来たことなの。オーナーに蒼士くんの友人に声を掛けてもらったり、トミちゃんも率先して英梨紗をサポートしてくれて、どうせなら蒼士くんを驚かせようってことになって、蒼士くんには内緒だったの。英梨紗ったら英隆まで呼んで神父役をさせて、蒼士くんは嫌だよね、ごめんね?」

困った顔をする梨香子に蒼士も脱力した。
英梨紗は蒼士と梨香子の為に奮闘してくれたのだ、神父のことは複雑だが英梨紗だからこその配役だろう。そこは目を瞑ることにする。
親父も知ってて陰でこそこそやってたんだなと思うと笑えてくる。

「このブーケも蒼士くんのブートニアも英梨紗の手作りなのよ」

「え?そうなんだ。とても素敵だよ、梨香子さんのドレスに良く似合う」

花の匂いを嗅ぐように花を愛でる梨香子を眩しそうに見つめる。

「それと、蒼士くんにもう一つ隠してたことが…」

「え?まだ何かあるの?」

扉の前で開くのを待っていると梨香子はブーケで顔を隠しながら遠慮がちに言った。

「出来たの…」

「…なにが?」

「私たちの、赤ちゃん」

「………え?」

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