大人の女に手を出さないで下さい
「でも彼は梨香子さんを誘ったのは下心があるからだろ?部屋に連れ込もうとしたとか?」

「…ったく、トミちゃんね?話したのは…」

後ろでにやにやとにやけながらついてきてたトミちゃんを梨香子は睨んだ。
元倉との出来事をついいつものようにトミちゃんに話してしまった。
トミちゃんに話すと全部蒼士に筒抜けになると悟って梨香子は今度から話すのはやめようと心に誓う。

「お酒の上でのほんの冗談でしょ?別に誘いに乗ったわけじゃないし」

「それでも俺は気が気じゃなかったよ…」

蒼士はちょっと情けない顔をすると梨香子は気まずそうに目を伏せた。
そこに割って入ったのはいつもの如くトミちゃんだ。

「リカちゃんったら~蒼士くんにこんな顔させちゃダメでしょ~?」

「…別に私何も悪いことしてないでしょ?」

蒼士くんの気持ちを知ってるくせにと散々トミちゃんに問い詰められた梨香子はふうっと深いため息を落す。

「いつまでも頑ななんだからもっと素直になればいいのに」

横でぼそりと呟いたトミちゃんに梨香子は眉根を寄せる
そんな梨香子の肩をトミちゃんは勢いよくバンッと叩いた。

「ほら!心配させた蒼士くんにお詫びも兼ねて今日は二人でデートしなさい!」

叩かれた肩を痛そうにさすりながら梨香子は蒼士をちらりと見て渋々頷いた。

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