このお見合い、謹んでお断り申し上げます~旦那様はエリート御曹司~


「えっと…、律さんのご趣味は?」

「なんだかそれっぽい質問だな。…趣味か…。最近は家で料理を作ることが多いと思う。今後はケーキとか、洋菓子にも手を出そうと思っていて…」

「…へ、へぇ、お料理が得意なんですね!お菓子まで作るなんてすごいです。んー…じゃあ、好きな食べ物は?」

「カップラーメンかな。シーフード味が特に。」

「…律さん。さっきから思ってたんですが、あの日だったらそう言ってないですよね。」

「ははっ、確かに。…俺は百合に会って変わったのかもな。」

「…!」


どきん…!と胸が鳴った。

以前の彼なら、趣味はピアノやクラシックを聴くこと、好きな食べ物は無難にイタリアンとかカッコいいものを言っていたはずだ。

食に興味すらなかった彼が、私のために料理を作り自炊を始めるなんて、誰が想像していただろう。

“私に染まった”、なんてたいそうなことは言えない。しかし、満足げに微笑む彼がとても愛しく感じた。“お前好みになっただろ”だなんて、瞳が言っている。ちょっと悔しい。


「…百合の好きなものは?」

「えっ!…うーん…。カップラーメン以外なら、チョコレートですかね…。スーパーやコンビニで買える当たりくじ付きの箱チョコとか、お買い得用のファミリーパックのチョコを、よく紘太と買っていました。」

「ふぅん。そうだったのか。…なら今度、会社の近くにある店のチョコを買って帰ろう。巷では美味いと評判らしい。」

「それ、一粒千円くらいのチョコレートでは…?」

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