このお見合い、謹んでお断り申し上げます~旦那様はエリート御曹司~
「ええっと…。…り、律さん、いつもよりスキンシップ多めですね…?」
「…結構舞い上がっているのかもな。百合が近くにいると触りたくなる。」
「え!」
「…少しくらいならいいだろ?」
いつものクールな彼とは思えないねだるようなセリフに、ぎゅん!と体温が上がった。彼から香る同じ石鹸の香りも若干はだけた襟から覗く胸板も、全てが色っぽくて、くらりとする。
二人きりの和室。
気持ちを遮るものなんてない。
ぎこちなく頷いて、照れ隠しのように顔を伏せると、彼はくすくすと笑いながら私の髪を撫でた。
どちらからともなく交わした口付け。だんだんと深まるキスに、溺れていく。
彼が、そっ、とうなじを撫でると、つい自分でも聞いたことのない声が漏れた。微かに目を見開いた彼は、やがてふわりと艶のある笑みを浮かべ、耳元で囁く。
「…くすぐったいか?」
「…は、はい…」
私の反応を楽しむように、ちゅ…、と首筋へ口づけた彼は、攻め立てるように優しく肌に舌を這わせた。ぴくん、と震えた私を翻弄するように、再びキスが落とされた。
だんだんと上がる息。
お互い少し酔っているせいか、はたまた不意打ちのプロポーズで気持ちが高揚しているせいか、その触れ合いはいつもより情熱的で余裕がない。
「ーー百合。愛してるよ。」
そして、耳元で囁かれたそのセリフは、今まで聞いた中で一番甘い響きだった。