このお見合い、謹んでお断り申し上げます~旦那様はエリート御曹司~
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ーーブブブ。
スマートフォンのバイブが鳴ったのは、実家での食事会を終えた週末の日曜日だった。自宅のアパートで休日を満喫しながら、そろそろ晩御飯でも作ろうかと思っていた矢先の電話。画面に表示されているのは、知らない番号である。
「…はい、もしもし?」
『もしもし。俺だ。』
一瞬、借金の取り立てかと思ったが、その耳触りのいい艶のある声には聞き覚えがある。
「…榛名さん。私、番号教えましたっけ。」
『昨日紘太くんと会って食事をした時に聞いた。百合、今大丈夫か?』
知らぬ間に弟と榛名さんが私抜きで会食をする仲になっているなんて。…侮りがたし、榛名 律。この男、私の“外堀”から固めてやがる。もはや私の情報は筒抜けだ。
若干動揺しながらも、私はおずおずと答える。
「大丈夫ですが…。一体、どういうご用件で?」
『この後、予定はあるか?』
「強いて言えば、夜ご飯の食材を買いに出ようと思っていたところです。特にこれといった予定は……」
『それは良かった。助けてくれ。』