人生の続きを聖女として始めます
「ですから、そこは聖女ジュリ様の魅力で陛下をメロメロにしてもらって……」

「……聖女を使って色仕掛け!?それ、どうなんですか!?」

リブラ、あなた聖職者じゃなかった!?
色仕掛けとかいいんですか?
私の冷ややかな目に耐えられなくなったリブラは、別の言い訳をし始めた。

「違うんです!そういう意味ではなくて……」

いや、絶対そういう意味だね!

「エルナダでは、聖女様は必ず獅子王陛下と結婚することになっています!それは、王族ならば周知のこと。陛下も嫌とは言えません!ですから、その……妃としての立場を大いに活用して……その……」

口ごもり始めたリブラは、上目遣いでこちらを見る。
きっと、ここから先は察して下さい!とでもいいたいんでしょうね!

「……予言の通りだと……何がなんでも愛されろ!ということよね?」

「なんと!さすが何でも知ってる聖女様!!」

思わず身を乗り出したリブラは、その瞳をキラキラさせて私を見た。
言わせたくせに良く言うわ!

「いやよ!国を救いたい気持ちはわかるし、可哀想だとも思う。だけど、それでなんで私が愛されようと頑張らないといけないの?まっぴらごめんだわ!」

ルリオン陛下はレグルスと双子の兄弟。
もし一卵性ならそっくりということよね?
レグルスと同じ顔を前にして、冷静でいれる気なんてしない。
それに、まだどこかにレグルスがいるかもしれない。
そうなると、またおかしなことになってくる。
重婚みたいになるよ?……しかも、相手は兄弟というカオス……。
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