人生の続きを聖女として始めます

星見の宴

「お母様、軍議はどうでしたか?」

昼食時、レーヴェは興味深そうに私に尋ねた。
謎のチェス対戦と化した軍議は、終わってからロシュ達が戻ってきて早々にお開きになった。
ニヤニヤと笑う3人と、それを睨む獅子王と私。
一体なんのイタズラなのか、彼らは突然消え失せたことについて何も語らなかった。

「チェスをしただけだったよ?」

「え!?チェスを!?父上様とですか?」

「うん」

レーヴェは何故か少し羨ましそうだ。

「それで、どちらが勝ちましたか?」

「もちろん、私よ!」

得意気に言うと、お茶の用意をしていたエスコルピオが背を向けてくくっと笑った。

「すごいですね!さすがお母様!いいなぁ、エスコルピオはその対戦みてたんだよね?」

「いいえ、私は扉の外で聞いて……控えておりましたので」

聞いてたのかーー!
私の頭の中では、団子になって外で聞き耳をたてる彼ら4人の姿が面白おかしく再現された。

「全く、なんでみんなして外で待ってるのよ?全然気がつかなかったわよ?」

「あまりにもお二人が集中されてましたので。お側を離れまして申し訳ございません」

「い、いいえ。それはいいけど……」

まぁ、ルリオンがそんなに嫌な人じゃないのがわかったし。
蟠りがなくなるのは良いことよね?
エスコルピオは私の表情を見て目を細めた。
そして、テーブルにミルクティを2つ置き、私の方にはミントを一枚、レーヴェの方には砂糖を一つ添えた。
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