嫁入り契約~御曹司は新妻を独占したい~
「初めはたしかに、グループを自分のものにすることばかり考えていた。兄とは馬が合わないし、もしも今後父がいなくなったら全てひとりでやるんだと気張っていた。父が元気なうちに、仕事でも家庭でも社会的に立場を安定させて、今後のグループが安泰であると証明したかったんだ」
どうして今更、私にそんな話を聞かせてくれるのだろう。
ふたりきりになって落ち着かない私は、このログハウスの主人である彩月さんの存在を目で探す。
「でも今はそんなことどうでもよくなるくらい、一華のことが好きでどうしようもないんだよ」
「っ__」
まるで胸の中で花火が上がったみたいにどん! と、心音が大きくなった。
真正面から射抜くように強く見つめられ、私の心は薫さん一色に染められる。
「こんな気持ちには初めてだから、正直戸惑ってる」
「えっ……」
ま、まさか……。
なにがあっても動じない、婚約者に逃げられても動揺なんて態度、おくびにも出さなかった人が。
戸惑うだなんてそんなことって、ある?
到底信じられない。
「君は実家から帰ってきたとき、俺にありがとうって言ったけど。礼を言うのはこっちの方だった」
心拍数をどんどん上げていく私に追い打ちをかけるように、薫さんは淡々と言った。
「一華がお母さん前で言ってくれた言葉が嬉しかったんだ。家族のことも考えてくれるとても温かくて優しい人なんだ、って」
「あ、あれは……」
「分かってる。君にとってはお母さんを説得させるための方便だったんだと理解すればするほどに、胸の奥ではわだかまりが大きくなった」
「わだかまり?」
眉根を寄せて首を捻る私を、薫さんは睫毛を伏せて切なげ見た。
どうして今更、私にそんな話を聞かせてくれるのだろう。
ふたりきりになって落ち着かない私は、このログハウスの主人である彩月さんの存在を目で探す。
「でも今はそんなことどうでもよくなるくらい、一華のことが好きでどうしようもないんだよ」
「っ__」
まるで胸の中で花火が上がったみたいにどん! と、心音が大きくなった。
真正面から射抜くように強く見つめられ、私の心は薫さん一色に染められる。
「こんな気持ちには初めてだから、正直戸惑ってる」
「えっ……」
ま、まさか……。
なにがあっても動じない、婚約者に逃げられても動揺なんて態度、おくびにも出さなかった人が。
戸惑うだなんてそんなことって、ある?
到底信じられない。
「君は実家から帰ってきたとき、俺にありがとうって言ったけど。礼を言うのはこっちの方だった」
心拍数をどんどん上げていく私に追い打ちをかけるように、薫さんは淡々と言った。
「一華がお母さん前で言ってくれた言葉が嬉しかったんだ。家族のことも考えてくれるとても温かくて優しい人なんだ、って」
「あ、あれは……」
「分かってる。君にとってはお母さんを説得させるための方便だったんだと理解すればするほどに、胸の奥ではわだかまりが大きくなった」
「わだかまり?」
眉根を寄せて首を捻る私を、薫さんは睫毛を伏せて切なげ見た。