嫁入り契約~御曹司は新妻を独占したい~
「で、でも私、薫さんといると、自制が効かなくなりそうで怖いんです……」


アルコールは一口しか飲んでないのだから、酔ってるわけじゃないと思う。

それなのに、薫さんに触れられると、自分が自分じゃないみたいに体が甘く疼いてコントロールできなくなる。
こんな感情初めてだから、どうしていいか分からなくなってしまう。


「そういうの、狙ってやってる?」


体を離した薫さんは、色っぽい角度で髪を掻き上げた。


「へ? ね、狙って……?」
「ときどきすげー可愛いこと言うから、俺も自分を見失いそうになって怖いよ」


頬を赤らめキョトンとする私を見て、クッと堪えるように笑った薫さんが広げた腕に、体が包み込まれる。


「だからずっとこうして、腕の中にいて?」


私たちは抱き合いながら寝室に移動した。
交わされる深いキスで頭の中が朦朧としてくるので、足がもつれてなかなか前に進まないのがもどかしい。

寝室の電気も点けずに、じれったそうにシャツのボタンを外した薫さんは、私をベッドに座らせる。押し倒すと覆うような体勢で深いキスを落とした。

阻めないスピードで、私の唇や、耳や、肌や体のずっと奥の深いところを刺激する。
初めての感覚にいちいち体が跳ねるように反応しているうちに、どんどん先に進んでしまう。


「ちょっと待っ、」
「?」
「あ、の……っ」


当たり前のようにニットの裾から手を滑り込ませるけれど……。
忘れてません、よね?


「私、その……っ」


恥ずかしいけれど、私は押し殺すような声で言った。


「初めて、です……」


ピタリと動きが止まった。
私たちから発する熱っぽさの、余韻を残して。
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