嫁入り契約~御曹司は新妻を独占したい~
「ご馳走さま。少し仕事させてもらうよ」
「は、はい」
ぽかんと見送って、私は食器を片付け始める。
そういえば、さっきご家族の話が出たとき、お兄様の話は一切されなかった。
薫社長のお兄様、櫻葉芳樹(さくらばよしき)氏は、櫻葉グループのビューティー部門である櫻葉化粧品の社長。
彼も薫社長に負けず劣らずのイケメンで、社交的で華やかな品があり、かなり有名だ。
さっき商店街の八百屋さんでも、香山でも、薫社長はお兄様の話が出ると不機嫌そうな顔つきになる。
ミリ単位の微妙な加減なんだけど、私はそう感じていた。
契約と言えど結婚したら姻族になるのだから、いずれ話を聞ければいいか、と私は呑気に思った。
食器を洗い終え、エプロンを外していると、仕事をしていた薫社長が部屋から出てきた。
「コーヒーでも淹れますか?」
エプロンを畳んだ私の目の前まで来て、薫社長は首を振る。
「いや、あとはいいよ。今日は疲れただろ、慣れないことばかりで。ゆっくり休んで」
「ありがとうございます」
労われ、私は恐縮しながら頭を下げた。
「あの、お掃除とかはどうされてるんですか? とっても行き届いてますけど」
「ああ、問題ないよ、ハウスキーパーが来てるから」
そうだよなぁ、と納得する。
こんなに広い家、毎日自分で掃除するのは大変だと思う。
「私も、できる範囲で普段通りに家事をしてもいいですか?」
「普段通り?」
「お掃除はプロの方には敵わないと思いますが、自炊はしたいですし、使うなら少しは自分で綺麗にしてたいんです」
それでもやはり、プロの方以外の同居人に、部屋を好き勝手にされるのはいい気はしないだろうか……。
「は、はい」
ぽかんと見送って、私は食器を片付け始める。
そういえば、さっきご家族の話が出たとき、お兄様の話は一切されなかった。
薫社長のお兄様、櫻葉芳樹(さくらばよしき)氏は、櫻葉グループのビューティー部門である櫻葉化粧品の社長。
彼も薫社長に負けず劣らずのイケメンで、社交的で華やかな品があり、かなり有名だ。
さっき商店街の八百屋さんでも、香山でも、薫社長はお兄様の話が出ると不機嫌そうな顔つきになる。
ミリ単位の微妙な加減なんだけど、私はそう感じていた。
契約と言えど結婚したら姻族になるのだから、いずれ話を聞ければいいか、と私は呑気に思った。
食器を洗い終え、エプロンを外していると、仕事をしていた薫社長が部屋から出てきた。
「コーヒーでも淹れますか?」
エプロンを畳んだ私の目の前まで来て、薫社長は首を振る。
「いや、あとはいいよ。今日は疲れただろ、慣れないことばかりで。ゆっくり休んで」
「ありがとうございます」
労われ、私は恐縮しながら頭を下げた。
「あの、お掃除とかはどうされてるんですか? とっても行き届いてますけど」
「ああ、問題ないよ、ハウスキーパーが来てるから」
そうだよなぁ、と納得する。
こんなに広い家、毎日自分で掃除するのは大変だと思う。
「私も、できる範囲で普段通りに家事をしてもいいですか?」
「普段通り?」
「お掃除はプロの方には敵わないと思いますが、自炊はしたいですし、使うなら少しは自分で綺麗にしてたいんです」
それでもやはり、プロの方以外の同居人に、部屋を好き勝手にされるのはいい気はしないだろうか……。