嫁入り契約~御曹司は新妻を独占したい~
なんだか私が言うなんてすごくおこがましいんだけれど、とても誇らしい気持ちになった。
薫さんが社長を務める会社に入社できてよかった。
薫さんのいろんな表情を知っているからこそ、余計にそう思える。強引な部分や、甘やかな目線、無邪気な笑顔を。
短い期間だけど、最初に比べれば随分距離が縮まったと思う。
縮まった分だけ、胸につかえるものがある。いつか、それが無くなる日は来るのだろうか。
挨拶と講演が一通り済み、いよいよ懇談の時間になった。
「__まあ薫さん、この方がフィアンセの?」
「一華です。よろしくお願いします」
「可愛らしいお嬢さんね。どちらにお勤めで? お父様はなにをなさっているのかしら?」
取引先の会社の社長夫人に捕まった私は、薫さんが適当に話を合わせるのを隣で聞きながら、長瀬さんに言われた通り常に笑顔でただ立っていた。
「社内恋愛? まあ、お羨ましいわ。うちにもこんなに素敵なお嫁さんが来てくれるといいんだけど!」
ほほほ、と上品に笑う社長夫人の斜め後ろで、後継者である息子さんが居心地悪そうにしている。
「薫さんがご立派になられて、お父様も安心でしょうね」
更にその後ろで、芳樹社長が若い女性に囲まれてちやほやされている。
「今後ともどうぞよろしくお願いいたします」
「ええ、こちらこそ。お父様にもどうぞよろしくお伝えくださいね」
深々と笑顔でお辞儀をすると、またすぐに次の招待客が挨拶にやって来る。
それを延々と繰り返していると。
「一華、疲れただろ? ちょっと外していいよ」
「あ、いえ……大丈夫ですよ?」
窺うように顔を覗き込む薫さんにかぶりを振る。
薫さんが社長を務める会社に入社できてよかった。
薫さんのいろんな表情を知っているからこそ、余計にそう思える。強引な部分や、甘やかな目線、無邪気な笑顔を。
短い期間だけど、最初に比べれば随分距離が縮まったと思う。
縮まった分だけ、胸につかえるものがある。いつか、それが無くなる日は来るのだろうか。
挨拶と講演が一通り済み、いよいよ懇談の時間になった。
「__まあ薫さん、この方がフィアンセの?」
「一華です。よろしくお願いします」
「可愛らしいお嬢さんね。どちらにお勤めで? お父様はなにをなさっているのかしら?」
取引先の会社の社長夫人に捕まった私は、薫さんが適当に話を合わせるのを隣で聞きながら、長瀬さんに言われた通り常に笑顔でただ立っていた。
「社内恋愛? まあ、お羨ましいわ。うちにもこんなに素敵なお嫁さんが来てくれるといいんだけど!」
ほほほ、と上品に笑う社長夫人の斜め後ろで、後継者である息子さんが居心地悪そうにしている。
「薫さんがご立派になられて、お父様も安心でしょうね」
更にその後ろで、芳樹社長が若い女性に囲まれてちやほやされている。
「今後ともどうぞよろしくお願いいたします」
「ええ、こちらこそ。お父様にもどうぞよろしくお伝えくださいね」
深々と笑顔でお辞儀をすると、またすぐに次の招待客が挨拶にやって来る。
それを延々と繰り返していると。
「一華、疲れただろ? ちょっと外していいよ」
「あ、いえ……大丈夫ですよ?」
窺うように顔を覗き込む薫さんにかぶりを振る。