ポルターガイスト~封じられた扉~
「純奈!」


広貴が叫んで駆けつける。


あたしの腕を引っ張ってくれるけれど、ビクともしない。


やがてベッドの下から黒いシミが湧きでて来た。


それは腐った水の臭いを放っていて、シミついた部分だけシーツが浮き上がる。


「いやっ……!」


目を逸らしたくても、できなかった。


シーツは徐々に膨らんで行き、ビリッビリッと音を立てながら避け始めた。


シーツの裂け目から、長い髪の毛が数本見えた。


そこから更にシーツは盛り上がり、頭部が現れた。


ビリッビリッビリッビリッ。


裂け目はゆっくりゆっくり、まるで人をじらしているように広がって行く。


そして次の瞬間……ビリビリビリビリビリビリビリ!!
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