私が王子の彼女役? (365枚のラブレター もう1つの恋)

「そう言えば
 舞に返さなきゃって
 ずっと思っていた物があるんだけど」



家に帰り
キッチンで料理をしている私に
エイトが話かけてきた



「なに?」



「この缶バッチ」



……



あ!!



エイトの彼女役になった時
没収されたあの缶バッチ!!



「エイト
 まだ持っていたんだね」



「舞のなのに
 勝手に捨てたりしないし」



「懐かしい!

 私が高校生の時に大好きだった
 アニメのキャラだ」



「舞さ
 こいつと俺
 どっちがカッコイイと思う?」



「え?」



「あのころさ
 すげーカッコイイって言ってたじゃん

 このアニメキャラのこと」



「確かに言ってたけど……」



「舞が俺の彼女になってくれた時に
 この缶バッチを返そうとしたんだけど……」



「だけど、何?」



「また舞が
 こいつのこと好きになりそうで
 なんか……返したくないって思っちゃって……」



え?

エイトってそんなこと思ってくれていたんだね

すっごく、嬉しい!!



私は思わず
エイトに飛びついた



「なんだよ、舞」



「ウフフ
 エイト以上に素敵な人は
 人間界にも魔法界にもいないよ」



「なんだよそれ」



そっけない口調のエイトのだったけど
口元が緩んでいる



嬉しいなら嬉しいって
言葉にすればいいのに



「エイト、口をあけて」



「ん?」



私はエイトの口の中に
甘くてフワフワな食べ物を入れた



「舞の卵焼き、スゲー好き」



「でも、一番好きなのは私でしょ?」



私が小悪魔的に微笑むと
エイトが私の耳元で囁いた



「あたりまえじゃん」



そう言って
私を優しく抱きしめてくれるエイト



もう私は、幸せすぎてたまらない



この幸せが
ずっとずーっと続きますように

               END

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