私が王子の彼女役? (365枚のラブレター もう1つの恋)
「うひゃ!!」
「は?なんだよ!!」
エイトに口をふさがれていた時
いきなり空から
バケツをひっくり返したような大量の水が
エイトと私に降り注いだ
私よりも
私に覆いかぶさっていた
エイトの方がびしょ濡れ
「なんだよ!今のは!」
ボートの花びらを完全に開き
あたりを見回すと
女王様に隠れて
こっちをうかがっている男の子が
エイトは花のボートを
マトイや国王様が乗ったボートの隣につけ
マトイの隣に行った
「マトイ!
何をやったか言ってみろ!」
「じいじに
水柱を作る魔法を教えてもらったんだけど……
失敗して……
パパとママに……
かかっちゃった……」
うつむきながら
小さな声で答えるマトイ
エイトに怒られるのが怖いんだろうな
真剣に怒るときは
雷が落ちたように怒るからね
エイトは
「マトイ……
お前、スゲーじゃん!!」
「パパ?
怒らないの?」
「怒るわけないだろ!
今日教わった魔法が
もう使えたのか?
俺なんて、5歳の時じゃ、
まだ水を動かすことなんてできなかったぞ」
「ホント?
パパよりもすごい?」
「ああ
でも、びしょ濡れのパパとママに
言うことはあるよな?」
「えーと……
パパ、ママ
ごめんなさい……」
「マトイ、許さん!
こうなったらくすぐり地獄だ!」
「アハハハ
パパ、くすぐったいよ!!
キャハハ
もうしないから許して
アハハハ」
エイトは、自分の膝の上にマトイを乗せ
体中をくすぐりまくっている
マトイは体をくねらせながら
嬉しそうな悲鳴をあげている
国王様も女王様も
孫が楽しんでいる姿を見るのが嬉しいみたい
ずっと目じりが下がりっぱなし
今、私の隣には
大好きな旦那様がいてくれる
出会ったころは
エイトには婚約間近の許嫁がいて
エイトに好きになってもらうなんて
無理だって思っていた
でもあの時
エイトのことを諦めないで
ずっと思い続けて良かった
今ここにある幸せは
あの時私が頑張った
ご褒美だと思うから