篠田くんの取扱説明書




なんでなのか、俺にもよくわからない。



ただなんとなく…放っておけなかった。




……超狭い範囲のゲリラ豪雨、なんて言い訳、苦しいにも程がある。



言いたくなさそうだったから、知らないフリをしたけど、それでもやっぱり放っておけなかった。



タオルも、カーディガンも貸した。



俺が出来ることは、それくらいだった。



俺が風邪をひいても構わない。



この子が無事ならそれでいい…って



……俺は、なに考えてるんだろうな。



やっぱり疲れてるんだろう。



はぁ、とため息を一つついてから、机に突っ伏して目を閉じた。





……教室は、人の気配がたくさんあるからさすがに眠れなかったけど。



不思議だけど、とても居心地がいい気がした。






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