篠田くんの取扱説明書



新聞の方に目を向けたまま立っていると、



篠田くんが私と立花先輩の間に入ってきて、校内新聞を見ていた。




「あぁ…。
秦太まじで書いたんかよ」




だるそうに呟いて、篠田くんは先輩の方を向く。



……篠田くん、私に背を向けているのですが…



これ、私投げ飛ばされる条件に入ってない?



チラ、と篠田くんの方を見ても、完全に後ろを向いてて、私になにかしようとする動きはしてない。



これは大丈夫なのか、立花先輩に目線を送ろうと篠田くんの右側から顔をのぞかせようとすると、



篠田くんの背中が追いかけてきて、視界が遮られた。



……あれ、タイミング悪い…。じゃあ次は左に…



軽く後ろに体をそらすと、また篠田くんの背中が遮ってくる。



……ん?





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