アナタと、キスと、銃声と。
え……それだけ?
諦めた?
美華さんが背を向ける。
気が緩んだ。
美華さんと入れ替わるように目の前に黒いスーツの人が立つ。
手には…金属バット。
やばい、そう思った時には頭に激痛。
床に倒れ込む。
額に生暖かいものがつたっていく感覚。
「あーあ、大人しくついてくればよかったのに」
そう言っては、微笑む美華さんの姿が遠ざかる意識の中で見える。
「ここでやっちゃってもいいんだけど、わたしちゃんと梨瑚ちゃんと話がしたいの。…また、後でおしゃべりしようね」
プツッとテレビが切れるように、目の前が真っ暗になった。