アナタと、キスと、銃声と。

離れるなんて。




…離れるなんて…考えたくない。




生きているのに、離れて生きていくなんて。





そんなの出来ない。



一緒に楽しいことも、辛いことも。



翔平ちゃんとなら乗り越えていける。



だから、だから……!









「翔平はわたしが貰うね、そうと決まったら今からでも翔平に会いに」


「いやだ!!!!」







お腹の底から声を出した。


おかげで頭が痛む。


こだまするように倉庫に声が響いては消えていく。


美華さんが驚いたようにわたしを見ていた。









「翔平ちゃんは…絶対に渡さない…」


「自分がどんな状況かわかってんの」


「わたしは、翔平ちゃんが居ないと…生きていけない…っ、だからあんたなんかに絶対渡さない!!!」






思いっきり睨む。


日本一と恐れられる組長の娘というプライド。


大事な人を渡す気なんてない。


たとえ、わたしが死んだって。


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