アナタと、キスと、銃声と。
目をぎゅっと閉じる。
最期の最後まで思い出すのはアナタの笑った顔。
……最期に、逢いたかったな…。
…翔平ちゃん…っ。
───────…ドスッ!
鈍い音と共に、痛みが……襲ってくるはずなのに。
わたしを襲ってきたのは、頭と背中の後ろに回された腕の強さと、肺いっぱいに満たされる大好きな香り。
心臓の音がとても早い。
冬だっていうのに汗の匂いもする。
「…しょ…へいちゃん…」
「遅くなって…申し訳ございません」
目の前にいるのが信じられない。
でも、翔平ちゃんから伝わる熱は本物で。
額に滲む汗と心臓の音で、必死で探してくれたんだって分かった。
そう思ったら、涙が出てくる。