アナタと、キスと、銃声と。
微笑む翔平ちゃん。
あ…わたしまだ生きてるんだ。
翔平ちゃんに逢えたんだ。
「何よ!なんでわたしよりその子の方がいいのよ!!何も無いくせに!!」
翔平ちゃんの向こう側で、美華さんが叫ぶ。
振り上げた手にはナイフ…刃先には赤く、滴り落ちる液体がべっとりついていた。
え…待って。
わたしは…殴られた頭以外なんともない。
じゃあ………。
「やめて!!!」
「うるさい!!!!みんな死ねばいいのよ!」
また鈍い音。
翔平ちゃんから小さく、呻き声が聞こえた。
頭がパニックになる。
翔平ちゃんが、翔平ちゃんが…!
「だめ…っ、翔平ちゃんどいて…!」
「どかない…!」
「いやだ!翔平ちゃんが死んじゃう…!」
泣きじゃくるわたしを優しく見つめる。
なんでそんな顔するの。
自分が一番辛くて、痛くて、ここから逃げ出したいくせに…なんでそんな。