アナタと、キスと、銃声と。

「翔平ちゃん…」






綺麗なままの横顔。


きっときっと、翔平ちゃんは起きてくれる。


その時、わたしが元気でいなくちゃ。


また心配かける。


早く元気になるからね。


……早く元気になるから。






「早く、起きてね」






翔平ちゃんの手を強く握って、静かに病室を出た。


ずっと傍にいたいけど。


長居しちゃ悪いからね。






「ありがとうございました」


「もういいのかい?」






そういうお医者さんにわたしは頭を下げて、病室に戻った。


泣きそうになるけど。


翔平ちゃんも頑張ってるんだから。


泣かない。





それから3日経ったけど、翔平ちゃんはまだ目を覚まさなかった。


< 152 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop