アナタと、キスと、銃声と。
気づいたら、どこまでも続く真っ白い空間に立っていた。
何にもない、何も聞こえない。
ここ…は…?
俺は、死んだのか?
「………ちゃーん!」
声が…声がする。
遠くから人影が走ってくる。
小さな、小さな人影。
だんだん近づいてきて、分かった。
長い髪をなびかせながら、両手をブンブン振りながら俺の元へ向かってくる。
「しょーへーちゃん!!」
「……梨瑚っ」
小さい…まだ、保育園へ通っていた頃の梨瑚が俺の胸へ飛び込んできた。
黄色い帽子をかぶって、同じ色の鞄を肩から提げて、胸にはひらがなで“しらさぎ りこ”と書かれたうさぎ型の名札。
間違いなく…それは梨瑚だった。
「…梨瑚……?」
「あのねあのね!きょうね!すなばで、とんねるつくったの!それでね!」
人の返事、感想、疑問など聞く間もなく、ブワーッと喋り倒すのが小さい頃の癖。