オタクですけど、何か?~友情編~
いやいや、そんな事は置いといて。
やる事なす事いちいちダサい連中だとそれはもう心の底から呆れ果てた。
知らないフリをして通り過ぎる事だって僕には出来た。
だけど、被害者の男子生徒が自分と被って見えて、今彼が抱えている心理状態が手に取るように分かる訳で。
怒りや恐怖、不安、不快感、理不尽さに押し潰されて誰かに助けを求めているに違いない。
そんな感情を少なからず知っている僕が知らないフリなんて到底出来る訳もなく、
「……カツアゲとかする下衆ってまだいるんですね」
気が付けば、溜め息混じりに男子生徒と2人の間に入り、被害者が手渡したお金を黄髪Aから取り上げていた。
「んだとぉ!?」
「てめぇ…っオタクは引っ込んでろ!!」
男子生徒を自分の背に隠し、お三方と向き合うと胸ぐらを捕まれ飛びっきりのメンチをお見舞いされる。
ああ、どうしよう…
さっっっっっぱり怖くない。
こんな生ぬるいメンチ、あの鬼の様な姉や元ヤンな母親に比べたら可愛いもんだ。
あの人達のメンチは次元が違う。
姉に至っては人一人殺してるような殺意が滲み出るし、母親に至っては最早ビームが出るのだ。過去に危うく大やけどを負うところだった事もある。もう本当なんて言ったら良いか分からないが、あの人達は絶対に人間じゃない。
「オイ、どけ…」
「あ、あだっちゃん!」
僕の胸ぐらを掴んでいた黄髪Aと交代して前へ出てきた赤髪A。
ボスというだけあってか、他の2人に比べるとそれなりな気迫を感じる。