オタクですけど、何か?~友情編~
い、痛い。これは地味に痛い。
禿げたらどうしよう……
禿げたらウィッグを付けるべきか、それともアデランス?
でも、アデランスは頭の上に軽自動車が乗るくらいの値段がするって聞いた事がある。
結構高額……
彼等から取り上げたお金を返せばこの痛みと禿げへの不安から解放される。
だけど……
「っこのお金は君達が手にして良いお金じゃないんですよ」
僕は絶対に渡しません。
「ああ!?んだとぉっ?!」
「いいですか?このお金は彼の親御さんが毎日頑張って働いて手にしたお金です。職場で嫌な事があっても、上司に嫌味を言われても、仕事出来ない部下に苛立ちを覚えても、それでも1ヶ月間ストレスに耐えて漸く貰えた給料から彼にお小遣いとして渡したお金です」
「…え、や、ちょっと……」
「もしかしたらやりくり上手な奥さんに"あなた、来月から消費税が値上げするので、お小遣い減らしますね。全く……消費税が上がっても給料は上がんないなんておかしな話よね"なんて言われながらも、一生懸命働いたお金かもしれません。
でも、世のお父さん方はそれでも頑張って仕事に行くんです。何故だか分かりますか?」
僕の前髪を掴む赤髪Aの手を払いのけ、睨み付ける。