死者の舞踏〜最期のメッセージ〜
藍が目を覚ますと、布団の中だった。電源を付けっぱなしにしていたはずのパソコンの電源は切られている。

「お前は病人だろう。一体何をやっているんだ!」

呆れた声で如月刑事が藍に言う。藍は少し驚きながら、「来てくれたの?どうして?」と訊ねる。

「研究所に行ったらいなかったからな。お前のことだから、病気になっても休まないと思って来たらさっき倒れたんだ。……ちょっと待ってろ。どうせ何も食べてないんだろ」

如月刑事は藍の頭を撫で、キッチンへと向かっていく。藍が体を起こそうとすると、如月刑事は振り向いて言った。

「病人は大人しくしてろ!動き回るようなら布団に縛り付ける。いいな?」

そう言う如月刑事の目は本気だ。藍は諦めて布団に横になる。ずっと椅子に座っていたせいか、体が横になったことを喜んでいた。

しばらくすると、如月刑事がおかゆを持ってやって来てくれた。卵の入ったおいしそうなおかゆだ。

「あまり上手ではないかもしれんが……」

「ありがとう。いただきます」
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