若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
「私はただ、不安なんです。この結婚の先、二年後の彼女がどうなっているか。泣いているんじゃないか? そんなことばかり考えてしまうんです」

月井から依頼された仕事は、向葵との婚姻の成立まで。
その後のアフターケアについては、はっきりと頼まれているわけではない。

それでも佳織は、少なくとも向葵が大学を卒業し彼女たちの結婚がどんな結末を迎えるかまで見届けるつもりでいるし、もし二年を迎える前に、向葵がこの結婚のせいで辛い思いをするようであれば、全力で助けようと思っている。

ただそれは、佳織の中で秘めている決意で、向葵にも矢神にも言ってはいなかった。

矢神は少し考えてから口を開いた。
「普通の恋人たちが、あるいは夫婦が、二年後どうしているかなんて誰もわからないんじゃないですか?」

その通りだと佳織も思う。
彼の言うことは最もで、教科書のように反論の余地がない。

――でも。

わかっています。そんなことは百も承知です。
だけど、だけどそれは。
あなたが心から誰かを好きになったことがないから、言えるんじゃないですか?
本当に愛する人がいたら、不確かな未来を確固たるものにしたいと思うのが当然でしょう?

そう思いながら、口では別の言葉を告げる。

「そうですね。そう言われれば確かにそうかもしれません」
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