若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
事務所に戻りエントランスをくぐると、受付の女性が声を掛けてきた。
「羽原さん、一番会議室でお客さまがお待ちです」
「え? どなた?」
「矢神さんです。約束はしていないけれど、ほんの少しでもお話できればとおっしゃって」
「わかったわ。ありがとう」
大切なクライアントさまである。
心の中では舌を打ちながら佳織はまっすぐ会議室に向かった。
「失礼します」
会議室の扉を開けると、彼はコーヒーカップをテーブルに戻した。
「すみません、突然で」
「いえいえ何かありましたか?」
本当は聞かなくてもわかっている。
今日の昼に向葵に会うことは伝えてあったので、そのことを聞きに来たのだろう。
でなければ突然自分を指名して待つことはない。別件なら資料を用意することも考えて、前もって連絡があるはずだ。
「セクハラの件でも?」
しらばっくれてそう聞いてみると、例によって含むような笑みを口元に浮かべた矢神は、「ランチ、美味しかったですか?」と言う。
「羽原さん、一番会議室でお客さまがお待ちです」
「え? どなた?」
「矢神さんです。約束はしていないけれど、ほんの少しでもお話できればとおっしゃって」
「わかったわ。ありがとう」
大切なクライアントさまである。
心の中では舌を打ちながら佳織はまっすぐ会議室に向かった。
「失礼します」
会議室の扉を開けると、彼はコーヒーカップをテーブルに戻した。
「すみません、突然で」
「いえいえ何かありましたか?」
本当は聞かなくてもわかっている。
今日の昼に向葵に会うことは伝えてあったので、そのことを聞きに来たのだろう。
でなければ突然自分を指名して待つことはない。別件なら資料を用意することも考えて、前もって連絡があるはずだ。
「セクハラの件でも?」
しらばっくれてそう聞いてみると、例によって含むような笑みを口元に浮かべた矢神は、「ランチ、美味しかったですか?」と言う。