若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
『夕翔さんは、好きな食べ物はなんですか? それと嫌いな食べ物は』
向葵は瞳を輝かせて、そう聞いてきた。

『甘いものも? 辛いものも?』
『激辛は私もダメです!』

身を乗り出すようにしてそう聞く彼女が可愛くて、つい笑ってしまった。

まだまだ子供なんだと思った。
ああ、この子は思った通り純粋で、世の中のゴミで汚れることなんて知らない綺麗な子供なんだと。

それならば王子さまを演じてあげるのもいいかもしれない。これから長い彼女の人生に、ひとつの想い出として残るシーンを残してあげよう。自分にはあの子の笑顔が想い出に残る。それもいいかもしれないと、そう思ったのに。

――でも、あの子は子供じゃない。ひとりの女性だった。

『夕翔さん。明日結婚式のあと、私を抱いてくれませんか』
< 171 / 314 >

この作品をシェア

pagetop