若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
「ん?」
「あ、あのしゅうこさんです。とても綺麗だったから」
夕翔はフッと微笑むと、「君だってとても綺麗だよ」と言った。
お世辞でもうれしい。
でも、あの夫婦の目には、自分はどう映ったのだろう?
彼はどうしてあんな子と? なんて思われただろうか。
何を言われても自分自身は構わない。けれど――。
できることならば、どうかこの素敵な彼の評価が落ちませんように。
そう願いながら、向葵はしょんぼりとしてテーブルに目を落とした。自信はない。
次に顔を上げた時、夕翔は外を見つめていた。
そういえば、せっかくの高層レストランなのに夜景を見てはいなかったことを思い出す。
あらためて窓の外に目をやると、雨の降る夜景はキラキラと輝いて、意外なほど綺麗だった。ビルを覆う埃っぽい汚れや、暑苦しい夏の空気を雨がさらさらと洗い流しているのだろう。
この、雨の夜景に彼が何を思うのか、向葵にはわからない。
正体のわからない不安な影に怯えながら、グラスの水をコクリと口に含む。
冷たい水が喉を伝って落ちてゆく。
水は体の熱を奪い、そろそろ夏休みが終わるよと教えてくれるようだった。
「あ、あのしゅうこさんです。とても綺麗だったから」
夕翔はフッと微笑むと、「君だってとても綺麗だよ」と言った。
お世辞でもうれしい。
でも、あの夫婦の目には、自分はどう映ったのだろう?
彼はどうしてあんな子と? なんて思われただろうか。
何を言われても自分自身は構わない。けれど――。
できることならば、どうかこの素敵な彼の評価が落ちませんように。
そう願いながら、向葵はしょんぼりとしてテーブルに目を落とした。自信はない。
次に顔を上げた時、夕翔は外を見つめていた。
そういえば、せっかくの高層レストランなのに夜景を見てはいなかったことを思い出す。
あらためて窓の外に目をやると、雨の降る夜景はキラキラと輝いて、意外なほど綺麗だった。ビルを覆う埃っぽい汚れや、暑苦しい夏の空気を雨がさらさらと洗い流しているのだろう。
この、雨の夜景に彼が何を思うのか、向葵にはわからない。
正体のわからない不安な影に怯えながら、グラスの水をコクリと口に含む。
冷たい水が喉を伝って落ちてゆく。
水は体の熱を奪い、そろそろ夏休みが終わるよと教えてくれるようだった。