若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
「ずるいです、矢神さん。この状況で断れるわけがないじゃないですか」
――私だって、一応女の子なんですから。
チラリと矢神を見ると、彼はうれしそうににっこりと笑った。
***
遡ること数時間前。
月井エンジニアリング、月井常務執務室。
寝起きに仕事がはかどるのは本当だと、夕翔は思った。
昼休みに仮眠を取ったあとはかつてないほどの集中力で、予定通り二時間ほど早く仕事を切り上げることができたのである。
「今日はどうしても外せない用事があってね。早く帰ろうと思う」
矢神にそう伝えると、彼もちょうどよかったらしい。
「では私も今日は早く帰らせていただきます。実は七時から予定がありまして」
「ああ、そう」
「常務、差し支えなければ教えていただけますか? どちらに?」
勘のいい彼は、多分気づいている。
そう思いながら、夕翔はフッと笑みを浮かべる。
――私だって、一応女の子なんですから。
チラリと矢神を見ると、彼はうれしそうににっこりと笑った。
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遡ること数時間前。
月井エンジニアリング、月井常務執務室。
寝起きに仕事がはかどるのは本当だと、夕翔は思った。
昼休みに仮眠を取ったあとはかつてないほどの集中力で、予定通り二時間ほど早く仕事を切り上げることができたのである。
「今日はどうしても外せない用事があってね。早く帰ろうと思う」
矢神にそう伝えると、彼もちょうどよかったらしい。
「では私も今日は早く帰らせていただきます。実は七時から予定がありまして」
「ああ、そう」
「常務、差し支えなければ教えていただけますか? どちらに?」
勘のいい彼は、多分気づいている。
そう思いながら、夕翔はフッと笑みを浮かべる。