若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
テーブルを借りてメッセージを書く。
少しばかり悩んだが、浮かんだ言葉をそのままにペンを走らせた。
【愛する妻へ 夕翔】
聞こえたため息に振り返ると、店員の女性がなぜか頬を染めていた。
「あ、すみません。奥さま、お幸せですね」
「だといいのですが」
花束を持って次に向かうのは、向葵が通う大学。
現在十七時半。
彼女の今日の授業は五限まで。図書館に行くことがなければ十八時を目安にこの門から出てくるはずだ。
夕翔は、花束を見下ろした。
車の中には出張先で買ったウサギのネックレスもある。
――向葵は、喜んでくれるだろうか。
僕は卑怯だ。と思いながら夕翔はフッと笑う。
結婚を秘密にしたいという向葵の意見を無視して、公に広めようとしている。
身動き取れない状況に追い込んで、二年の契約は反故にしようとしている。二年後もずっと妻でいてもらうために。
少しばかり悩んだが、浮かんだ言葉をそのままにペンを走らせた。
【愛する妻へ 夕翔】
聞こえたため息に振り返ると、店員の女性がなぜか頬を染めていた。
「あ、すみません。奥さま、お幸せですね」
「だといいのですが」
花束を持って次に向かうのは、向葵が通う大学。
現在十七時半。
彼女の今日の授業は五限まで。図書館に行くことがなければ十八時を目安にこの門から出てくるはずだ。
夕翔は、花束を見下ろした。
車の中には出張先で買ったウサギのネックレスもある。
――向葵は、喜んでくれるだろうか。
僕は卑怯だ。と思いながら夕翔はフッと笑う。
結婚を秘密にしたいという向葵の意見を無視して、公に広めようとしている。
身動き取れない状況に追い込んで、二年の契約は反故にしようとしている。二年後もずっと妻でいてもらうために。