若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
声をかけてきたのは、鈴木翼(すずき つばさ)。その隣に立っている彼は西園寺洸(さいおんじ あきら)という、西園寺ホールディングスの若き御曹司で常務取締役だ。鈴木は彼の秘書である。
御曹司の友人には御曹司が多い。
西園寺洸は月井夕翔の幼馴染でもあった。
仕事でも縁があるので、矢神も彼らとは親しい。
「打ち合わせですか?」
「ええ、例の件で部長に会いに。なかなか順調にはいかず……」
彼らも帰るところらしい。そのまま少し仕事の話をしたところで、鈴木が言った。
「そういえば、驚きました。月井さん結婚なさったのですね」
「え?」
それは一体いつ聞いたことなのだろう。
何しろ婚姻届けは、いま自分が代理で提出してきたばかりなのである。本当なら、まだ誰も知らないはずだった。
矢神の疑問に気づいたのか、鈴木がにっこりと笑みを浮かべて答える。
「彼から昨夜、連絡がありました」
「ああ、そうでしたか」
随分気が早いとは思ったが、何か用事でもあったついでに話をしたのか、そう考えれば不思議なことでもないだろうと思った。何しろ彼らは、月井夕翔とごく親しい友人なのだから。
ところが、次の西園寺洸の言葉には、返事に困った。
「あいつは、どうしてそんなに急に結婚する気になったの?」
御曹司の友人には御曹司が多い。
西園寺洸は月井夕翔の幼馴染でもあった。
仕事でも縁があるので、矢神も彼らとは親しい。
「打ち合わせですか?」
「ええ、例の件で部長に会いに。なかなか順調にはいかず……」
彼らも帰るところらしい。そのまま少し仕事の話をしたところで、鈴木が言った。
「そういえば、驚きました。月井さん結婚なさったのですね」
「え?」
それは一体いつ聞いたことなのだろう。
何しろ婚姻届けは、いま自分が代理で提出してきたばかりなのである。本当なら、まだ誰も知らないはずだった。
矢神の疑問に気づいたのか、鈴木がにっこりと笑みを浮かべて答える。
「彼から昨夜、連絡がありました」
「ああ、そうでしたか」
随分気が早いとは思ったが、何か用事でもあったついでに話をしたのか、そう考えれば不思議なことでもないだろうと思った。何しろ彼らは、月井夕翔とごく親しい友人なのだから。
ところが、次の西園寺洸の言葉には、返事に困った。
「あいつは、どうしてそんなに急に結婚する気になったの?」