クローバー
政治と多恵子の物語
「こんにちは。」
「いらっしゃい。」

出て来る。
茉菜を抱いている茉莉とハルカを抱いている茉衣を見る。

「きゃあ〜かわいい!」

バタバタ。

「何ヶ月?」
「2か月と1才と12才です。」
「ホントに大きいね。そっくり…ごめんね。私達が少しでも気遣っていたら防げたかも知れないのに。」

茉衣は、

「いいんです。いろいろありまして絆は深くなったのかも知れません。親子の仲はいいですし、むしろ、反抗はさせません。反抗したら本気でかかります。自慢の旦那さんですから。」
「変わってないなぁ。ホントに好き同士だったから。お互い気遣い合って、羨ましいくらいお似合いの二人で。あのね、あなたたちが2年生の頃から付き合ってたの。学校ではいちゃつけなかったから、夜になってから手を繋いだり、キスしたりしてた。まさかこの人がお酒に弱いとは…。」
「お酒は大丈夫だよ。」
「大丈夫じゃない!最初は大人しくしてたけど付き合いも慣れてきたら酔ったら子供が欲しくなる傾向になって、そのせいであなたは私に何をしたと思ってるの!親からは教育者としてあるまじき事とか言われたの覚えてないの!」
「…わかっています。」
「わかっていたら5人も作らない。何人お酒に任せた?」
「…。」

(尻に敷かれてる…)

茉衣と遥紀は見つめ合う。

「ねぇ、赤ちゃん抱いていい?」

茉衣は、

「いいですよ。」
「ふふ、教え子の赤ちゃん抱くの初めて。」

茉莉から茉菜を受け取り、抱く。

「目元とか三田君似ね。兄弟そっくり。」

子供達が、

「ママ、僕も、」
「私も触っていい?」

言う。茉衣は、

「どうぞ。」

と言う。

「かわいい。ほっぺぷにぷにだよ。」
「おてて小さい。」
「あ、くしゃみしそう。」

茉菜はびっくりして泣き出す。

「あらら、びっくりしたのね。」

ハルカは大人しい。茉莉がいるから。
ぽんぽん叩いて、”あそぼ”と表現してるようだ。

「ハルカ、茉菜が泣いてるよ。なでなでしてあげよ。ね?」

茉莉は茉菜を撫でてあげるとハルカもなでなで。茉菜は泣き止む。

「お兄ちゃんありがとうって。ハルカいいコね。」

ハルカは茉莉に抱っこをせがむ。

「ハルカは甘えん坊だね
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