クローバー
。」

茉莉はハルカを抱く。遥紀は茉菜を受け取り抱く。父親の顔になっている遥紀。

「いいパパね。よかった。心配してたのよ。旦那から聞いたわ。まさかそんな事になっていたなんて。付き合ってるのは知ってたわ。別れる事も噂で薄々聞いていた。見たら二人とも淋しそうで、お互い、本当は別れたくないのではないのかと思ってた。真実を聞いて、あの時少しでも何かしていたらと思ったら辛かった。理想のカップルだった。だってそうでしょ?何度助けられたか。倦怠期になっても、あなたたちを考えたら乗り越えられた。ありがとう。」


遥紀と恩師(旦那)は二人きり。(茉衣達は、別々にいる)

「完全に尻に敷かれてますね。」
「…まあ仕方ないよ。お酒に呑まれる私も悪いし、多恵子は子供を生んだら母親として、妻として頑張ってる。かわいいんだ。あれでも心から言ってない。わかるよ。三田君の話は聞いたので私も話します。これで公平でしょう?…多恵子は、初の担任で不安げだった。いつものように悩んでいた。」


「どうしました?いつも悩んでる。」
「…末松先生。」
「よろしければ相談乗ります。」
「…不安なんです。初めての担任で、生徒達にいい先生だと思われているか心配です。」
「ふふふ、そんな事ですか。紀平先生は欲張りですね。すぐに完璧を求めるのですか?人間は十人十色。好く人だって嫌う人もいる。焦れば焦る程重く感じる。だんだんしていけばいいんじゃないかな?欲張りさん。」
「…え?」
「その気でしています。紀平先生もそうではないですか?自然体のがかわいいものですよ。」
「…ありがとうございます。」
「元気出ましたか?」
「う〜ん、」

ぺちっ。

デコピン。

「!?」
「悩みならいつでも相談に乗りますよ。ほらほら陽気に。あ、あと、紀平先生のクラスの三田君と真田さんのカップル。いゃあ、あれほど自然体でいないと。」
「え?カップル…ですか?」
「知らなかったのですか?純粋ですよ。かわいいくらい。初々しいというか。ふふふ。」
「…末松先生?」
「さ〜て、私は次は2−3の授業ですから。紀平先生は?」
「2−6です…。」
「きっと先生なら大丈夫ですよ。」

と言い、出ていく。
多恵子の顔は赤い。

「…あんな事言われたの初めて。」


先生の飲
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