クローバー
沙衣だけの真治は何一つ気付かない。
入園式が始まり、クラス別に入場する。
沙衣はたまにお腹を蹴られているが耐えている。真治は優しく、
「もうすぐ郁だよ。」
と声を掛ける。
郁が入場する。真治はカメラを片手に、郁を撮る。郁は応える。沙衣は郁に優しく手を振る。
(あの男の子の親?)
席に座った郁。
「座っちゃったね。」
「うん。」
帰り、真治と沙衣は郁を待っている。二人はピッタリ寄り添って待っている。
「パパ、ママ。」
郁が来る。
「おかえり。」
「真治は郁を抱き上げる。」
「パパ、ママ、楽しかったよ。」
「お友達たくさんできるかな?沙衣は笑う。」
(やっぱりあの子だわ。よく見るとそっくり。うちの子供を何とかして友達にさせないと。)
奥様方は思う。保母さんも、
(やっぱりあの子のパパカッコイイ…。上手く服を着こなしてるし。本当に整ったカオ)
真治は元モデルだからセンスが良く、着こなしも良い。一緒に選ぶ真治の過去を知っていて、撮影を見てきていた沙衣のセンスもいいのも事実。
見つめ合う。
「そんな甘いカオしてたらキスするぞ。」
「ダメ…恥ずかしい。」
「そこがかわいいんだ。もう…やめて。仕事休んで来てるのだから。」
「ふふふ。お義兄さんに、頼まれてるんだ。来年茉莉ちゃんが中学生だろ?お義兄さんにとってそんな経験ないからね。」
「そうだね。遥紀さんにとって茉莉ちゃんの中学の入学は一大イベントだし。」
「遥紀さん?」
「たまには呼び分けるのよ。」
「もしかして妬いてるの?」
「まあね。」
「大丈夫。真治しかいないから。」
「不倫なんてしないだろうなぁ。するわけないじゃない。まさか、義理のお兄さんだよ。間違ってもそんな事しない。お姉ちゃんしかいないよ。ましては2人も子供がいて、3人目を身ごもってる。お姉ちゃんがどんな覚悟で茉莉を身篭ったか。一人で育て上げた。本当は助けて欲しいのを隠して。そんな事したら間違いなく礼衣が殺しにかかるわ。パパもね。」
「…礼衣君か。」
「でしょ?真治もわかるじゃない。お姉ちゃんとお義兄さんは、家族や友達、全てを失う覚悟で望んで暮らし始めた。いずれ別の家を探して暮らす。お義兄さんは、愛しい娘の為に兄弟を作ろうと決意した。
入園式が始まり、クラス別に入場する。
沙衣はたまにお腹を蹴られているが耐えている。真治は優しく、
「もうすぐ郁だよ。」
と声を掛ける。
郁が入場する。真治はカメラを片手に、郁を撮る。郁は応える。沙衣は郁に優しく手を振る。
(あの男の子の親?)
席に座った郁。
「座っちゃったね。」
「うん。」
帰り、真治と沙衣は郁を待っている。二人はピッタリ寄り添って待っている。
「パパ、ママ。」
郁が来る。
「おかえり。」
「真治は郁を抱き上げる。」
「パパ、ママ、楽しかったよ。」
「お友達たくさんできるかな?沙衣は笑う。」
(やっぱりあの子だわ。よく見るとそっくり。うちの子供を何とかして友達にさせないと。)
奥様方は思う。保母さんも、
(やっぱりあの子のパパカッコイイ…。上手く服を着こなしてるし。本当に整ったカオ)
真治は元モデルだからセンスが良く、着こなしも良い。一緒に選ぶ真治の過去を知っていて、撮影を見てきていた沙衣のセンスもいいのも事実。
見つめ合う。
「そんな甘いカオしてたらキスするぞ。」
「ダメ…恥ずかしい。」
「そこがかわいいんだ。もう…やめて。仕事休んで来てるのだから。」
「ふふふ。お義兄さんに、頼まれてるんだ。来年茉莉ちゃんが中学生だろ?お義兄さんにとってそんな経験ないからね。」
「そうだね。遥紀さんにとって茉莉ちゃんの中学の入学は一大イベントだし。」
「遥紀さん?」
「たまには呼び分けるのよ。」
「もしかして妬いてるの?」
「まあね。」
「大丈夫。真治しかいないから。」
「不倫なんてしないだろうなぁ。するわけないじゃない。まさか、義理のお兄さんだよ。間違ってもそんな事しない。お姉ちゃんしかいないよ。ましては2人も子供がいて、3人目を身ごもってる。お姉ちゃんがどんな覚悟で茉莉を身篭ったか。一人で育て上げた。本当は助けて欲しいのを隠して。そんな事したら間違いなく礼衣が殺しにかかるわ。パパもね。」
「…礼衣君か。」
「でしょ?真治もわかるじゃない。お姉ちゃんとお義兄さんは、家族や友達、全てを失う覚悟で望んで暮らし始めた。いずれ別の家を探して暮らす。お義兄さんは、愛しい娘の為に兄弟を作ろうと決意した。