クローバー
ないの?」
「気付いてないみたいですね。」
「喋ったら?」
「…まぁ、後で話してみます。今は雰囲気負けしそうですから。」
茉衣の友人の一人は、
「あの…モデルみたいですよね。してそう。」
真治はぎくっ…。
「…してないですよ。」
「モテそうなくらいきれいで整ったカオ。モテませんでした?」
真治は、
「…男子校は意外にモテませんよ。男女交際は厳禁でしたし。妻を見つけてからは一途ですよ。一目惚れでした。…あそこまで積極的なのは多分ないですね。軽い人と最初は拒まれました。」
真治は必至に嘘を隠す。
「パパ、モデルってなぁに?」
って不思議そうに問う郁。
真治は、
「郁は知らなくていいよ。」
と言う。
郁は肩車から下ろされると、ちょこんと真治に寄り添う。
かわいい。
披露宴が始まる。遥紀の上司からの話。
「真面目で礼儀は正しいし、いい人な彼に何度もお見合いを勧めました。決まっていつも、一瞬、淋しそうな顔をして、アハハと笑って、ありがとうございます。…今は誰ともお付き合いする気はありません。ごめんなさい。と謝る彼。最後に勧めた2年近く前には、いつものように淋しそうな顔をして、本当は…一生独身でいるつもりです。と言った。まさか、こんなに美しい人と後に再会して、真実を知ってしまった時、今までの話を後悔しました。いつもの淋しそうな顔の理由は、いつまでも思っていたこと。彼は、再会したのだろう。仕事はきちんとしているけれど気が抜けるとぼ〜っとする。日を追うごとにだんだん悩んでいた。そして、ある日から、悩みを切ったように働く。理由を聞いたら、仕事頑張ります!と。2月の中から下旬くらいに、不思議に思った。幸せそうな顔。男の一人暮らしに弁当は気持ち悪いので、それまで弁当を取っていたのに、手作り弁当に変わった。」
「ある日、片付けに入ると、手紙を見つけた。開けると、パパ頑張ってね。という内容が。独身の男にパパ頑張ってねの手紙。それからすぐのこと、不審に思い、こっそり忍ぶと、写真が。すると、女の子の写真。何か淫乱なことをしていると疑いました。けど、彼はいたって真面目だし、そんな事をするようには見えなかった。よく見てみる。女の子は彼に似ていて、もう一枚の写真には、きれいな女の人とその女の子の写真
「気付いてないみたいですね。」
「喋ったら?」
「…まぁ、後で話してみます。今は雰囲気負けしそうですから。」
茉衣の友人の一人は、
「あの…モデルみたいですよね。してそう。」
真治はぎくっ…。
「…してないですよ。」
「モテそうなくらいきれいで整ったカオ。モテませんでした?」
真治は、
「…男子校は意外にモテませんよ。男女交際は厳禁でしたし。妻を見つけてからは一途ですよ。一目惚れでした。…あそこまで積極的なのは多分ないですね。軽い人と最初は拒まれました。」
真治は必至に嘘を隠す。
「パパ、モデルってなぁに?」
って不思議そうに問う郁。
真治は、
「郁は知らなくていいよ。」
と言う。
郁は肩車から下ろされると、ちょこんと真治に寄り添う。
かわいい。
披露宴が始まる。遥紀の上司からの話。
「真面目で礼儀は正しいし、いい人な彼に何度もお見合いを勧めました。決まっていつも、一瞬、淋しそうな顔をして、アハハと笑って、ありがとうございます。…今は誰ともお付き合いする気はありません。ごめんなさい。と謝る彼。最後に勧めた2年近く前には、いつものように淋しそうな顔をして、本当は…一生独身でいるつもりです。と言った。まさか、こんなに美しい人と後に再会して、真実を知ってしまった時、今までの話を後悔しました。いつもの淋しそうな顔の理由は、いつまでも思っていたこと。彼は、再会したのだろう。仕事はきちんとしているけれど気が抜けるとぼ〜っとする。日を追うごとにだんだん悩んでいた。そして、ある日から、悩みを切ったように働く。理由を聞いたら、仕事頑張ります!と。2月の中から下旬くらいに、不思議に思った。幸せそうな顔。男の一人暮らしに弁当は気持ち悪いので、それまで弁当を取っていたのに、手作り弁当に変わった。」
「ある日、片付けに入ると、手紙を見つけた。開けると、パパ頑張ってね。という内容が。独身の男にパパ頑張ってねの手紙。それからすぐのこと、不審に思い、こっそり忍ぶと、写真が。すると、女の子の写真。何か淫乱なことをしていると疑いました。けど、彼はいたって真面目だし、そんな事をするようには見えなかった。よく見てみる。女の子は彼に似ていて、もう一枚の写真には、きれいな女の人とその女の子の写真