クローバー
どことなく。それが親子だと分かった。聞くに聞けず、少しすると、彼は毎日疲れていた、それから3か月経っただろうか?私は、彼の左手の薬指の指輪に気付く。そして、休みに妻と買い物をしていたら、彼は、お腹を膨らませた女の人と手を繋いでスーパーにいた。こっそり覗いてみると、彼は女の人のお腹を優しくさすってにっこり微笑んで見つめ合っていました。ふと見えた女の人の顔は、写真で見た顔。レジを終えると、片手で荷物を持って、もう片方の手は繋いでいた。外の、彼の車の前、荷物を積みこんだ後、車に乗り込み、二人が何度もキスをしている所を見てしまいました。それからすぐ、彼から結婚をしたいと相談された。そして、お腹の中の赤ちゃんの存在。落ち着いたら入籍することを。」
「彼女のお腹の赤ちゃんの話をしている時あらわれる父親の顔。そして、娘さんの存在を話してくれた。高校時代の彼女に血の繋がった娘さんがいたこと。娘さんの存在を知らずに過ごした時間。再会、娘さんとの初めての出会い、秘密を知って、3人で逃げた事。妬み、苦しみ、そして駆け落ち、彼女のお腹に宿った命。話してくれました。驚きました。18〜29の間にどれだけ苦しみと絶望、いろいろな感情を経験したのか。それから数カ月して、彼は入籍した。スクープされて、きっと苦しんだだろうに。幸せになって欲しい。時は戻らないけれど家族を大切にして、恨みとか憎しみからは解放されて、幸せでいれるように願っています。」

茉衣は涙、
今までの感情が出たようだ。
遥紀は優しく声を掛ける。


茉衣の友人の話。
茉衣は涙。

「別れた理由を知ってても茉衣を捨てた三田君紀を拒絶して、同窓会は出なかったわ。それでも三田君を思い続ける茉衣にそこまでしなくてもいいのにと思った。みんな結婚して、茉衣となかなか会えなくなって、茉衣から呼び出されて行ったら茉衣が妊婦だったのには驚いた。子供の父親が三田君と知って、何で?と思ったけれどお互いの愛に感服してしまった。茉衣には幸せになって欲しい。今度捨てたりしたら、三田君を殴るから。」

ささやかな歌を歌う友人達に、茉衣の涙は止まらない。
遥紀の友人の番にもなれば、遥紀をちやほやして歌う。笑う。

「…それこそ茉衣の家族に殴られる。」

「えげつない…。」

真治は思う。
沙衣は気付いて、

「男友達っ
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