バッドジンクス×シュガーラバー

ふと目が覚めると、ワンルームの室内は開けっ放しのカーテンから差し込む夕陽でオレンジ色に染まっていた。

ベッドで横になったまま、枕元に置いたスマホに手を伸ばす。
暗い画面を明るくし、裸眼を細めながらギリギリまで顔を近づけてみると、時刻は18時半を回ったところだ。

同時に私は不在着信のお知らせが表示されていることに気づき、むくりと上半身を起こす。



「……あ、えみりさんだ」



今度はキチンとメガネをかけてから相手の名前を確認し、つい独り言が漏れた。

電話があったのは今から20分ほど前だ。仕事が終わってから、心配してかけてくれたのかな。

ちなみにこの自宅アパートへは、ちょうど外出予定があった牧野さんが社用車で送ってくれた。

牧野さんは『気にしないで』と言って、笑っていたけれど……手間をかけさせてしまったことに加え、私のジンクスのこともあるので本当に申し訳ない。

でも、そういえば。最近はなんだか、自分の周りで誰かがケガをしたり嫌な目にあったという話を聞かないような気がする。

久浦部長とのキス以降、部長本人だけじゃなく他の男性たちへの態度も今までより気が抜けている自覚があったのに──これは、どういうことだろう。

たまたま、私の耳にそういった話が入らないだけ?
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