バッドジンクス×シュガーラバー
「そうだな、昔からよく言われる。双子に間違えられたこともあるくらいだ」



今となっては身長も同じくらいだし、稔は子どもの頃から大人びた性格だった。

アイツが俺よりも少しタレ目で、現在は肩につく長さの髪を後ろでひとつに括り、短い顎髭を生やしているのだが……似たような髪型をしていた学生時代の写真は、我ながらそっくりだとは思う。

俺の話を聞いて、小糸が同意するようにうなずいた。



「たしかに、そうだと言われても納得するくらい似てます。奥さんもかわいらしい方ですし、美男美女で素敵ですね」



また湯のみを持ち上げかけていた手を、ピタリと止める。

そうして俺は、隣にいる彼女の顔をわざわざ覗き込んだ。



「それは……その稔と顔がそっくりな俺のことも、小糸は『美男』だと思っているということでいいのか?」



言いながら、自然と口もとが緩む。

小糸はハッとし、それからすぐに恥じ入った様子で目を泳がせた。



「それは……ぶ、部長がそう思うのなら、そうなんじゃないでしょうか」

「俺は今、小糸に聞いてる」

「や、あの、……もう、からかわないでください……」



真っ赤な自分を隠すように俺がいる側の手を顔の前にかざす彼女を見ながら、今度は声に出して笑う。
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