バッドジンクス×シュガーラバー
「だよね、憂依がそんなコじゃないことはちゃんとわかってる。わかってるけど、どうしようもなく不安で、居てもたってもいられなくなって……気づいたら、あんな嘘をついてた。でもさっき、同じ部署の人が『久浦部長と小糸さんが事故に遭って救急車で運ばれたらしい』って話をしてるのを聞いて、心臓が止まるかと思った。私はなんてことをしてしまったんだろう、もう二度と謝ることもできなかったらって……すぐに別の人から、事故に遭ったのは久浦部長だけで、それも軽傷だったって聞いたけど……もう、嘘をついたままじゃいられないと思ったから……」



話しながら尻すぼみになるハスキーボイスは、ほとんど涙声のようになっている。

侑子は、前に教えてくれた。私が彼女にとって、初めてできた友人だと。

そんな彼女に、私はなんと声をかけるのが正解なのかわからない。

ただ、震えるその身体に『大丈夫』だと伝えたくて……両手を伸ばし、自分よりも背の高い侑子をギュッと抱きしめた。



「うん、そっか。わかった」



言いながら、宥めるように優しく背中を叩く。

私の肩口に顔を埋める侑子が、ぐす、と鼻をすすった。



「……ごめん、憂依……許して、もらえなくても……仕方ないって、思ってるから……」

「何言ってるの。私の方こそ、侑子に謝ることあるよ」



不思議そうに顔を上げて私を見た彼女に、ニコリと微笑む。
< 221 / 241 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop