バッドジンクス×シュガーラバー
結局それから会社に到着するまで、私たちの間に会話は生まれなかった。
安堵の息を吐きながら、地下駐車場で車の助手席を降りる。
久浦部長も、私の態度に気を悪くしてしまったのか話しかけてくることなかったし。
……正直申し訳ないとは思うけど、仕方ない。結果的にこれが、部長のためにもなるんだもの。
「あ、部長と憂依ちゃん。おかえりなさーい」
デイリーフーズ部のある7階に到着し、久浦部長とふたりエレベーターを降りたところで声をかけられる。
見るとそこにいたのは、トイレの方向からこちらに近づいてくるえみりさんだ。
ちょうどそのとき、部長のスマホが着信を知らせた。部長は私たちに背を向け、少し離れた場所で何やら通話し始める。
「えみりさん、お疲れさまです」
「お疲れー。あっ、【ボン・ボヤージュ】の紙袋! ってことは、やっぱ外出は“市場調査”だったわけね」
私の左手にあった紙袋のロゴに目敏く気づいたえみりさんが、ニヤリと笑って言った。
そんな彼女に、私は苦笑いを返す。
「はい。今は甘いものでおなかいっぱいです」
「あはは。ま、コレは恒例行事だから。ウチのチームに誰か新しく入ると、“市場調査”って名目で久浦部長が自腹切ってめっちゃスイーツ食べさせてくれんの。本人的には歓迎のつもりなんだろうけど、女子はカロリー気になるんだからちょっと限度あるよね~」
「え?」
安堵の息を吐きながら、地下駐車場で車の助手席を降りる。
久浦部長も、私の態度に気を悪くしてしまったのか話しかけてくることなかったし。
……正直申し訳ないとは思うけど、仕方ない。結果的にこれが、部長のためにもなるんだもの。
「あ、部長と憂依ちゃん。おかえりなさーい」
デイリーフーズ部のある7階に到着し、久浦部長とふたりエレベーターを降りたところで声をかけられる。
見るとそこにいたのは、トイレの方向からこちらに近づいてくるえみりさんだ。
ちょうどそのとき、部長のスマホが着信を知らせた。部長は私たちに背を向け、少し離れた場所で何やら通話し始める。
「えみりさん、お疲れさまです」
「お疲れー。あっ、【ボン・ボヤージュ】の紙袋! ってことは、やっぱ外出は“市場調査”だったわけね」
私の左手にあった紙袋のロゴに目敏く気づいたえみりさんが、ニヤリと笑って言った。
そんな彼女に、私は苦笑いを返す。
「はい。今は甘いものでおなかいっぱいです」
「あはは。ま、コレは恒例行事だから。ウチのチームに誰か新しく入ると、“市場調査”って名目で久浦部長が自腹切ってめっちゃスイーツ食べさせてくれんの。本人的には歓迎のつもりなんだろうけど、女子はカロリー気になるんだからちょっと限度あるよね~」
「え?」