バッドジンクス×シュガーラバー
そのセリフに引っかかりを覚え、しぱしぱとまばたきを繰り返す。
あれ? でも、さっきは……。
「経費じゃ、ないんですか?」
「ん? 違うよ。就業時間内に連れ出すから一応仕事っぽく“市場調査”なんて言ってるけど、久浦部長が厚意でやってくれてることだもん。まあ、部長的にはほんとに市場調査も兼ねてるんだろうけど」
えみりさんの話を聞いて、電話中の久浦部長をちらりと盗み見る。
斜め後ろからの表情しか見えないけど、相変わらずの険しい顔。
「あーんな強面のくせに、意外とマメなんだよねぇ。もちろん、このおみやげもポケットマネーだし」
言いながら彼女が、ひょいっと私の手もとの紙袋を覗き込む。
箱についたラベルを確認したのか「はあ、【ボン・ボヤージュ】の焼き菓子楽しみ~」とご満悦だ。
私はといえば、真剣な表情で電話を続ける久浦部長のことをぼんやり見つめてしまっていて。
それに気づいたらしいえみりさんが、なんだか含みのある笑みを浮かべながら私を肘で小突いた。
「あらら。憂依ちゃん、部長のギャップにときめいちゃった?」
「え?! そ、そんなこと、ないですよ」
ドキリとした私は、慌てて否定する。
そう、これは、絶対に違う。
胸の中に広がったこのむず痒い気持ちは……ときめいたなんてそんな甘い感情じゃなくて、久浦部長の予想外に細やかな性格を知り、少し驚いただけだ。
びっくりして……なんとなく、見つめてしまっただけ。
ただ単に、それだけだ。
あれ? でも、さっきは……。
「経費じゃ、ないんですか?」
「ん? 違うよ。就業時間内に連れ出すから一応仕事っぽく“市場調査”なんて言ってるけど、久浦部長が厚意でやってくれてることだもん。まあ、部長的にはほんとに市場調査も兼ねてるんだろうけど」
えみりさんの話を聞いて、電話中の久浦部長をちらりと盗み見る。
斜め後ろからの表情しか見えないけど、相変わらずの険しい顔。
「あーんな強面のくせに、意外とマメなんだよねぇ。もちろん、このおみやげもポケットマネーだし」
言いながら彼女が、ひょいっと私の手もとの紙袋を覗き込む。
箱についたラベルを確認したのか「はあ、【ボン・ボヤージュ】の焼き菓子楽しみ~」とご満悦だ。
私はといえば、真剣な表情で電話を続ける久浦部長のことをぼんやり見つめてしまっていて。
それに気づいたらしいえみりさんが、なんだか含みのある笑みを浮かべながら私を肘で小突いた。
「あらら。憂依ちゃん、部長のギャップにときめいちゃった?」
「え?! そ、そんなこと、ないですよ」
ドキリとした私は、慌てて否定する。
そう、これは、絶対に違う。
胸の中に広がったこのむず痒い気持ちは……ときめいたなんてそんな甘い感情じゃなくて、久浦部長の予想外に細やかな性格を知り、少し驚いただけだ。
びっくりして……なんとなく、見つめてしまっただけ。
ただ単に、それだけだ。