バッドジンクス×シュガーラバー
『こ、小糸です。よろしくお願いします』
そして、4月。
噂の彼女と初めて言葉を交わしたときの印象は、端的に言って“地味なちっこい女”だ。
発する声は小さいし、自信なさげに下を向いてばかりなのも気に入らない。
肩につかない長さの髪はゆるくウェーブがかって茶色に染めているのは意外だが、わざとなのかなんなのか、目もとを隠すような鬱陶しい前髪と黒縁メガネが一気に雰囲気を暗くしている。
これまでにも社内ですれ違ったことくらいあったんだろうが、思い返してみたところで記憶の片隅にも引っかかっていない──絵に描いたような目立たないタイプの人間だと、初対面の俺は認識した。
とはいえ小糸も小糸で、あからさまに俺にビビってまったく目を合わせようとしていなかったし、失礼なのはお互い様だったろう。
けれどもそんな最悪の印象は、その日の夕方……就業時間を過ぎてミーティングルームへと彼女を連れ出した際に、大きく変わることになる。
そして、4月。
噂の彼女と初めて言葉を交わしたときの印象は、端的に言って“地味なちっこい女”だ。
発する声は小さいし、自信なさげに下を向いてばかりなのも気に入らない。
肩につかない長さの髪はゆるくウェーブがかって茶色に染めているのは意外だが、わざとなのかなんなのか、目もとを隠すような鬱陶しい前髪と黒縁メガネが一気に雰囲気を暗くしている。
これまでにも社内ですれ違ったことくらいあったんだろうが、思い返してみたところで記憶の片隅にも引っかかっていない──絵に描いたような目立たないタイプの人間だと、初対面の俺は認識した。
とはいえ小糸も小糸で、あからさまに俺にビビってまったく目を合わせようとしていなかったし、失礼なのはお互い様だったろう。
けれどもそんな最悪の印象は、その日の夕方……就業時間を過ぎてミーティングルームへと彼女を連れ出した際に、大きく変わることになる。