売れ残りですが結婚してください
翠は美術館の学芸員だ。

学芸員というのは一般に博物館や美術館、科学博物館などに勤務し、資料の収集や保管、展示、調査研究などをする人だ。

翠が今携わっているのは、次の展示会の準備だ。

学芸員は主に展覧会でどのような作品を出すかを決めたり、会場のレイアウトなどを考えたりもする。

またその作家についても色々と調べたり、資料を作ったりもする。

今は次の展示する作家について調べているが、翠は元々調べ物をしたりするのが大好きだ。

あまりに没頭しすぎて先輩たちに早く帰るよう催促されることもある。

だが、今日は思った以上に仕事がはかどらなかった。

理由はやはり例のアレだ。

多分、頭では結婚しなきゃいけないと理解していてもまだその覚悟が足りないのだ。

こういう時は気分転換をするのが一番と考えた翠は早めに仕事を切り上げた。

そして本屋へと向かった。

翠は本屋に行くのが大好きだ。

特に古い本が好き。

意外な掘り出し物があった時は、その場でジャンプしたくなるほど。

だが今日は古本屋ではなく大型の書店だ。

最近お目当の画家の作品集が出版されたからだ。

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