売れ残りですが結婚してください
だが冴子は話を続ける。

「だからね、翠も遊び呆けてないでもうちょっと自分の結婚式考えてよね。あっ!それとあなたたちの住む家だって決めなきゃいけないのよ〜。は〜〜正直言って唯の結婚より頭が痛いわよ」

「ご迷惑おかけします」

頭をペコっと下げる翠に冴子はハッとした。

結婚相手を自分で選べない翠の方がよっぽど大変だというのに愚痴を溢した自分が恥ずかしくなったのだ。

「迷惑なんて思ってないわよ。相手の顔もわかんないのに結婚結婚って実感も湧かないのにごめんね翠の気持ちも考えないで……これだからお父さんに怒られちゃうのよね。そうだお父さん起こしてきてくれる?」

「うん」

母の気持ちはわからんでもない。

本来なら自分たちである程度決めることなのに今の翠にできることといえば何もなく人任せ。

それなのに今から友達とドライブに行くなんて遊び呆けてるようなものかもしれないと翠は後ろめたさを感じながらも支度を済ませ、待ち合わせ場所へと向かった。

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