売れ残りですが結婚してください
学校に中に入ると、下駄箱があった。

ここでスリッパに履き替えて中に入る。

なんだか懐かしい匂いがして小学生に戻った様な気分になる。

左右に長い廊下があり教室があり、職員室や保健室、1年から6年までの表札もそのままだった。

利用者もハンドメイド雑貨のお店や、スイーツ、など様々なジャンルのお店が入っていた。

「あの3年1組が蕎麦屋だよ」

教室のドアを開けると奥から「いらっしゃい」という元気な声が聞こえた。

中に入るとほぼ満席。

そして奥から手拭いを頭に巻いた長身の男性が出てきた。

「お〜!久しぶりだな。ひでじゃなくて……シュウ」

「春樹久しぶり。今日は無理言って悪かったな〜」

「いいって、で?いつ帰ってきたんだ?」

「ん?三ヶ月……前かな?」

二人が久しぶりの会話をしている横で、翠は首を傾げていた。

三ヶ月前までどこに行っていたの?春樹と言う人がシュウの名前をなぜ間違えたの?

疑問に思っていると翠は春樹と目があった。

「ところで彼女が例の子?」

春樹が翠を見て微笑んだ。

「ん?いや……彼女は友達。とりあえず座っていい?」

「ああごめんごめん。あちらの席にどうぞ」

春樹は窓際の席を案内した。

シュウは翠にメニューを手渡した。

「好きなもの頼んでね」

「……はい」

翠はメニューを広げるが、春樹との会話で歯切れの悪い返事をしたシュウのことが気になった。

だが、友達になって間もない翠は何でもかんでも質問するのは図々しいと思い疑問を口にすることはできなかった。
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