売れ残りですが結婚してください
「実はまだ行きたいところがあるんだけど……帰りが随分遅くなってしまうんだ。ご両親が心配するといけないから連絡入れたほうがいいと思うけど……」

「両親にですよね」

「ああ」

翠は迷った。

友達と出かけるといったが相手は男性だ。

電話をしたらどこの誰か聞かれるに違いない。

(こうなったらシュウのことを唯一知っている唯姉に頼るしかない。)

「わかりました。ちょっと電話してきます」

翠はシュウから離れた場所に移動すると唯に電話をかけた。

『翠、どうしたの?』

「唯姉……実は今……」

翠は唯にシュウと一緒に出かけていること、帰りが随分遅くなることを伝えた。

『わかった。じゃあ、とりあえず翠は家に電話を入れて、私のところにいると言えばいいよ。もし私を出せっていったら今お風呂にはいると言えば私が時間を見計らって連絡するから安心して』

「わかった」

『それから帰りは私のマンションに来て。私たちが翠を家まで送れば問題ないでしょ?』

「で、でも……迷惑じゃ」

『全然。それに私も例の彼に会ってみたいから』

翠は後ろにいるシュウをチラリとみた。

(友達だから別にいいよね)

「わかった。じゃあお願いします」

『頑張れ……翠』

翠は何を頑張るのか理解できなかった。だが唯協力してくれることにホッとした。

それからすぐに家に電話を入れた。

唯の家にいるといった翠の言葉を冴子は信じた。
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